科学の技法

現役整形外科医が語る科学のトリビアです!

続・決定論

私は子供同士の会話の中には入っていかない主義であるが、子供同士の会話は自然に耳に入ってくる。うちの自宅で長男(8歳)が近所の子供と一緒にすごろくをして遊んでいるとき、長男がこんなことを言っていた。「最初に1を一番上にしてさいころを投げると3の目が出るんや」と。これは以前に私が述べた決定論につながる考え方である。部屋全体のすべての空気やその他すべての分子の位置と速度が事前に分かっていたら、スーパーコンピューターなどを使って解析すると、サイコロが手から離れた瞬間に、サイコロの出る目はきまっているはずである。これが決定論の考え方である。しかし、実際はそう簡単ではない。ハイゼンベルク不確定性原理によると、粒子の位置と運動量を同時に決めようとしても不確定性のためにうまくいかないからである。例えば、水素原子の原子核の周りに存在する電子の位置は波動関数で表される。すなわち、人間が電子の居場所を観測するまでは、電子は可能性のあるすべての位置に存在するとこになり、存在している位置が重なり合っていることになる。