突然の出来事

平成29年11月3日に私の父が息をひきとった。突然の出来事であった。これは普遍的な法則かどうかは知らないが、私は書くことにより悲しみが和らぐ。おそらく家族は誰も読まないこのブログであるが、20年後、30年後に子らがこのブログを訪れ、少しでも自分の生き方のヒントになればとの思いで、以下の文章を書き残しておく。

喪主の挨拶(主要部分のみ)

1. 本日はお忙しい中父の葬儀に御会葬賜り誠にありがとうございます。遺族を代表しひとこと挨拶申し上げます。
2. 厳しさとやさしさを兼ね備え、細かいことには一切口出しせず、子供に対し勉強しろとはひとことも言わないような父でした。しかし、大事な物事には必ず父の意向が反映され方針が決まってゆく、そのような父親でした。
3. 12年前に父は大きな手術を受けました。腸を切除する手術です。執刀医からは、二つの手術方法が提示されました。簡単に言うと、人工肛門を造設する手術と、自分の肛門を温存する手術です。人工肛門のケアは大変です。西口先生が評判の良い名医であったとこもあり、家族は自分の肛門を温存する方法を希望しました。しかし、父は自分の病気や手術のリスクについて、本を読み、同僚や先輩の医者仲間にも相談し、自分で勉強しました。その結果、より安全な人工肛門を造設する手術方法を選択しました。最先端の医療よりも、長年の月日を経て安全性が確立された医療を大切にする。石橋を叩いて渡る、そんな生き方だったように思います。
4. そのような慎重な父親がこんな形で最期を迎えるとは誰も想像しません。おそらく本人も想像しなかったはずです。父は仕事熱心で自分の体調が悪いときも診療所を休診にすることはありません。患者の命を守るのが医師の仕事です。では、医師自身の命を守るのは誰でしょうか。開業医でも、体調が悪ければ、休診にすることができます。しかし父の考え方は違いました。残された者にできることは、そういう父の生き方に敬意を表することです。
5. 本日はこのようにたくさんの方に見送って頂き、父も喜んでいることでしょう。私達は残されてしまいましたが、残ります私共に対しましても変わらぬ御指導を賜りますようよろしくお願いします。本日は誠にありがとうございました。(ここまで)

愛すべき家族の最期は誰もが避けては通れない道であり、記憶のうすれないうちに私の思いを書き残しておく。