読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

科学の技法

​ 理系科目の復習・科学リテラシー・政治と科学

ローレンツ収縮

今日は動く物体の長さが縮む理由について考えてみよう。
相対性理論の本を読んだことがある人であれば、ローレンツ収縮(もしくはフィッツジェラルド=ローレンツ収縮)という言葉を知っているであろう。これは、光の速度に近いような速い速度で動く物体の長さが縮むという現象であるが、その現象が起こる理由を理解することは難しい。「図解・わかる相対性理論」を読むと、比較的分かりやすい説明があった。動いている物体の長さの定義を動く物体Xの両端と静止した物体Yの両端が同時に一致したときに、動く物体Xの長さは静止した物体Yの長さ(左端から右端までの距離)と同じ長さであるとする。すなわち、物体Yは物差しのような役割である。Xは左から右に動いている長い物体、たとえば電車の車両などをイメージするとよい。物体Yの真ん中に光源を置き、光源が電車の両端(左端をAと右端をBとする)に到達する時間を同時刻と定義する。そして、光源から出た光が左端Aに到達することを事象A、右端Bに到達することを事象Bとする。静止した物体Yの中にいる人にとって、事象Aと事象Bは同時刻に起こるが、動く物体Xの中にいる人にとっては事象Bが先に起こり、その後に事象Aが起こることが確認できる(同時性の崩れ)。しかし、同一場所での同時性は絶対に崩れない。さらに、静止している人にとっても、動いている人にとっても、事象Aと事象Bが発生した時点でのAB間の距離が物体の長さである。そうかんがえると、動く物体Xの中にいる人から見ると、Xの長さとYの長さの比は、1: √{1-(v/c)^2}(vは物体xの速度、cは光の速度)であるので、静止したときのXの長さは、動いているYの長さより長い。「図解・わかる相対性理論」には分かりやすい計算方法が載っているが、結論として動く物体の長さは縮むことになる。これは、裏返すと、動いている物体の長さが変化しないと仮定すれば、自分自身の体が物体Xの進行方向と平行に拡大していることを意味する。